皆様、お世話になっております。TEAM909のキムです。この前より少し近くから失礼します。
みなさん、役者のインタビュー、読みたいですよね!
…という書き出しで始めようと思いましたが「雑すぎる」「怖い」「書き出しを書くのがめんどくさいのがバレてる」「というか口が臭い」「くせ毛が凄い」と、散々な言われよう。私は激怒して、バーボンをあおりながら西部の街を目指しました。
ただ、それでも役者のインタビューは皆様に読んで頂かないといけません。バーボンで酔っぱらって記事が書けないなんて話になった日には
団員「何してるんだ!」
母「みんなに迷惑かけて…(泣)」
米軍のカーター少佐「Do not be silly!」
留学生のヌデレバ君(ハンガリー出身)「Ne légy hülye!」
と非難を浴びるのは必須。何としてもインタビューはお届けしなければ…。
というわけで、夏公演の役者インタビュー第二弾はこの方です。
TEAM909の良心兼相談役的ポジションを確立しつつある、なるさんこと成美真祐(なるみまひろ)さんです!
いやあ、大人や…。某ファーストフード的イタリアンで、ドリアの注文を忘れられただけで激怒している私とは、天と地の差がありますね。
まさに包容力といった感じのなるさんは、芝居にもそれをいかんなく発揮されております。
さて、そんななるさんは一体何を語るのか。インタビュー、スタートです。
―宜しくお願いします。
成美真祐(以下 な) 宜しくお願いします。なるみまひろです。TEAM909には1年と2か月くらいいます。
―そんなに経ちましたっけ?
な 去年の4月1日からなので
―もう演劇歴は長いんですもんね。
な 演劇は山形にいた時からやっていたんですけど、上京してから知り合ったお姉さんとまた演劇をやり始めて、その劇団は5~6年やってました。その後1年くらいお休み期間を挟んで、今に至ります。
―5~6年もやってたんですか。その時の話ってあまり聞いたことないですよね。
な 年一で公演してる劇団でした。当時は埼玉で稽古して、去年のTEAM909の夏公演をやった高田馬場プロトシアターで主に公演をやってました。
―主にプロトシアターでやってたんですか?
な そう(笑)あそこが居心地がよくて。最後の解散公演だけ、団長が抽選会で当選したので、与野本町にある彩の国さいたま芸術劇場の小ホールでやりました。
―まだ当時のメンバーの方とは親交があるんですか?
な うん、ありますよ。
―他の方はまだ演劇とかやられてるんですか?
な 一人だけ映画関係とかで活動してる方がいて、それ以外は普通にみんな働いてたり、お母さんしてたりとかするので、そんな感じです。
―そっかー、続けるのが一番難しいですからね。
な そうだねー。続けるのは大変です。
―そもそも演劇を始めたきっかけってなんですか? 声優さんになりたかったってのは前のインタビューとかでもおっしゃってたかとは思うんですが。
な 声優になるための進学ってのは親から許してもらえず、自分で進学するのも無理を感じたので、地元の社会人劇団に入ったんですね。高校時代に知り合った友達が、そこの市民劇団に知り合いがいるからって引き合わせてもらって。
―TEAM909って、昔から演劇やってたっていうメンバーは少ないじゃないですか。そんな中では生粋の演劇人って感じですよね。
な でもいわゆる「高校演劇」は経てない感じなんですよ。観てはいたけど。あー、でも在籍してた市民劇団はキャラメルボックスの作品を主にやってたので、高校演劇チックといえばそうなのかも。
(なぜか走ってくるなるさん)
―今回のTEAM909第三回公演『愛されたいとか言ってるやつは全員死ね』で、なるさんは緑川という役をやるわけですが、役の紹介をお願いします。
な 緑川は、割とどこにでもいるようないわゆる「女子」。
―ほう。
な 女として私は生きる、っていうような考え方を持ってる人だと思ってます。人が好きだし、好かれたいし、みたいな、熱量が強い今どきの女子かな、と。私は絶対に近寄らないし、友達にはならないタイプだけど(笑)。でも大多数の人に「いるいる、こういうタイプの友達!」って言われるタイプの人かなって、私は思ってます。
―割と今回の劇の中では共感を集めやすいタイプですかね。
な けっこう感情移入しやすいキャラクターですね。
―演じるにあたって、苦労してることとかはありますか?
な 割と押しが強いキャラクターなんですけど、押しの強さのベクトルが私とは違う感じなので、そこは難しいなと感じてます。
―なるさん押し強いですか? 普段接しててそんな感じはしないんですけど
な たまに自分でも、母性の強さが良くない方向に行ってしまって、変なこと言っちゃったなあ…って、後で思うことがあります。そういう押しの強さですかね。私はどちらかというと母性が強い方なので。でも緑川っていう役は母性ではなくて、一女性としての押しの強さなんですよね。
―自分とは違ったタイプではあるけど、似通ってるところもあるみたいな?
な そう。似てるところはあるけど、そこを突っ込むと作品の内部を語らなきゃいけなくなってくるので、そこはちょっと割愛で…(笑)
性格は割と反対なんですけど、演じる上で想像がつきやすいんですよね。わかりやすい子だなと思うから、そういう意味ではやりやすいかな。
―緑川っていうキャラクターが今回の劇の中で果たす役割って、大きいと僕は思うんですよ。
な そうなんですよ、そうなんですけど、そう見せちゃいけない部分があると思ってます。バッグみたいな…
―バッグ?
な 人の近くに絶対いなきゃいけない人みたいな感じですかね。白幡(役名)とかにすごく近い存在ではないんだけど、白幡が関わる人たちの近くにいる。「そばにいる」タイプの人かな? いつの間にか近くにいる、みたいな人。
―あー、そういうことですね。
な 共感をあつめるっていうのが、今回の私の役割かなと思ってます。緑川派か白幡派かに分かれる気がしてます。最終的に繋がるところは一本なんだけど。
―今回の作品について、どう思ってますか?
な え、好きですよ?(笑)
―そんだけ?(笑)
な 「せかかわ」(TEAM909第二回公演『世界一かわいいのは絶対私であとはみんなブスばっか』)とかはいろんなところに話を振った部分があったと思うんですけど、今回はすべてが繋がってくるから、一つのまとまりとして「あ、好み!」って思いました。
―そういえばあんまり聞いたことなかったかと思うんですけど、なるさんの好きな作品ってどんなものですか? 演劇作品だけでなくてもいいですけど。
な ハッピーエンドも好きなんですけど、アンハッピーとか不条理とか、後は
突然終わっちゃうとか。
―突然終わる…?
な 「あ、ここで終わるの?」みたいな作品が凄い好きなんです。ストーリーとして、例えば女の子がいなくなりました→女の子があそこにいるらしい→行ったけど次の場所に移動してる、みたいなのが展開されていって、最終的に「見つけた!」と思ったら、その子が振り向くか振り向かないか、くらいで終わっちゃう感じ。追いかけたのに、その子の笑顔は見られずに終了する、みたいな。そんなストーリーが好きですね。
―過程を楽しむタイプなんですね。
な そうですそうです。結果は想像して楽しみたいんです。終わっても、そこで作品が終わるわけではないじゃないですか。ハッピーエンドでも、ハッピーエンドの先に人が死ぬまではずっと物語が続いていくと思ってるので。
―今回の劇に通じる話ですね。
な そうです。だから今回の話は好きなんです。サイコパスとか、そういうテイストの作品も好きですね。ホラーは苦手なんですけど、サスペンスとかグロテスクは好きなんです。
―グロテスク大丈夫な方ですか。
な そうですね。でもグロテスクでもモンスターとか怪獣系ではなくて、生身の人間が人間を殺めてしまうタイプのグロテスクはOKです。血しぶきも問題なく観られます。でも驚かされるのはイヤ。殺す側の目線を感じていたいんです。今やってる二階堂ふみさんのドラマはめっちゃ好きです(ストロベリーナイトサーガ)。
―じゃあ終盤なのでお聞きしたいんですが、なるさんにとって「愛するもの」とはなんですか?
な 「人」かなあ…。パートナーもそうだし、推しもそうだし。友達も親もかな。私の座右の銘は「人を思うは身を思う」なんですけど、私の周りにいる人の今までの経験とか、考え方とか、今までどういう人生を送ってきたのか、とか。そういうのが好きです。
―人に興味があるってことですかね。
な もちろん苦手な人もいますけど。でも好きだなって思った人にはずっと興味を持ち続けてる気がします。人のことを気にするというよりは、単純に人が好きです。さっきも言ったけど母性が強いので。愛が返ってくればうれしいけど、返ってこなくてもいい。愛を与えることが好きなんですね。愛が重いんじゃなくて、愛が強いんです、私は(笑)
―そうなんですね…。なんか話が飛んでしまって申し訳ないんですが、将来も役者は続けていく予定ですか?
な おばあちゃんになってもするつもりです。会社の人に「なるみさんは演劇がライフワークなんですか?」って聞かれて「はい、そうですね」って答えたんですよ。仕事はしていたいんですけど、すんなりそう答えてしまったので「ああ、ずっと私は演劇を続けていくんだろうな」って思いました。五体満足でいる限りは。
―好きだからこそですかね。
な 結局演劇は嫌いでも好きなんですよ。稽古の期間って、一回は演劇が嫌いになるんですよ、私は(笑)。稽古の期間に嫌いって思っても、終わった後にまたやるんですよ。そうやって10年間続けてきたので、たぶんこれからも続けていくんだろうなって思います。
―すみません、最後になってしまうんですけど、お客様に一言頂いてもいいですか。
な 今回はいろんなところに顔を出します。なぜそこに顔を出すのかな、なんでなんだろうな、とか思いながら観てほしいなと思います。楽しみに観に来て頂ければ幸いです。
いかがだったでしょうか。
なるさんのあまり聞いたことのない話を聞けて、個人的に満足した私なのでした。
これで米兵のカーター少佐に怒られることはないでしょう。
インタビューはまだ始まったばかりです。これからも魅力的な役者の紹介をどしどしやっていく予定ですので、皆様お楽しみに。
私はレベッカの『フレンズ』を聞きながら寝ることにします。寝れねえ。
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